日本遺伝学会主催の遺伝学談話会を下記の内容で開催いたします。今回は昆虫の発生・形態形成の遺伝
学的研究と、昆虫の行動進化の神経基盤の研究をされている2名の研究者をお迎えし、最新の研究成果
を分かりやすく講演していただきます。皆様のご参加をお待ちしております。
日時:2024年10月25日(金)15:00~18:30
場所:名古屋市千種区不老町
名古屋大学 東山キャンパス 理学部E館 E131室 (1F)
(名古屋市営地下鉄・名古屋大学駅から徒歩5分、詳細は下記HP にてご確認ください)
https://www.nagoya-u.ac.jp/contact/map.html マップのD2-5
参加費:無料(談話会だけ参加の場合、前登録の必要なし)
談話会終了後、簡単な懇親会を開く予定です。
懇親会参加希望の方は10月18日までに下記まで御連絡ください。
連絡先:名古屋大学大学院生命農学研究科・隅山健太
email:sumiyama.kenta.j6@f.mail.nagoya-u.ac.jp
—————–講師と講演要旨—————
講演1:「とある訪花性昆虫の巧みな繁殖/生存戦略とそれを支える神経機構」
石川 由希 (名古屋大学 大学院理学研究科 生命理学専攻 脳回路構造学講座)
私たちの研究グループは動物の行動がどのように進化するのかに興味を持ち、その神経機構の解明を
目指しています。特に最近は、生態系を支える花と昆虫の関係を成立させる「昆虫の訪花性」がどのよう
な神経機構で成立し、進化してきたのかに着目して研究をしています。本講演では、私たちが研究材料と
する訪花性ショウジョウバエが野外でどのような戦略で繁殖/生存しているか、またその戦略を成立させ
るためにどのような神経機構を用いているのかについて、生態-行動-神経-遺伝子の様々なレベルで解析し
た最近の研究成果を紹介いたします。
講演2:「昆虫の新奇形質:斑紋と角の分子基盤の探求」
新美 輝幸 (基礎生物学研究所 進化発生研究部門)
私たちの研究室では、昆虫が進化の過程で独自に獲得した新奇形質に着目し、多様な形質をもたらす
分子基盤とその進化プロセスの解明を目指している。近年、次世代シークエンサーやゲノム編集技術の進
展により、これまで研究が困難だった非モデル生物の魅力的な形質に関する分子基盤を解明できるように
なってきた。私たちは、新奇形質の具体例としてナミテントウの斑紋とカブトムシの角に注目し、これら
の形質形成に関与する遺伝子の特定を進めている。本講演では、ナミテントウの斑紋多型の原因遺伝子や、
カブトムシの角形成に関する分子メカニズムについての研究成果を紹介する。