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会長挨拶

ごあいさつ

こんにちは。日本遺伝学会会長の小林武彦です。

日本遺伝学会は、約100年の歴史をもつ「生命系学会の源流」です。これまでも様々な重要な活動に関わってきました。

古くは戦後、今から70年ほど前に、日本政府に働きかけ国立遺伝学研究所(三島市)の設立に貢献しました。その際に準備組織として作られたのが遺伝学普及会です。また、文部省(現は文部科学省)と連携し学術用語集遺伝学編を編纂し、教科書で使う用語の整理を担当していました。その流れで昨年、28年ぶりに学術用語集「遺伝単」を発刊いたしました。大きな新用語提案の1つとして、100年にわたって使用してきた遺伝子の性質を表す「優性、劣性」という言葉を、「顕性、潜性」に変更いたしました。本来の意味は「優れている、劣っている」とは全く関係ないのですが、漢字の意味から誤解を招く恐れがあり、変更を提案させていただきました。研究者にとっては使い慣れた言葉ではありますが、100年の節目で提案させていただいた次第です。ご理解、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。その他にも差別や偏見につながる可能性ある学術用語は極力「中立な」表現、「学術的に正確な」表現に変更いたしました。詳しくは本書をご覧ください。

また、遺伝学会の新しい試みとしまして「シニア科学アカデミー 日々思考実践院」を立ち上げました。研究者は、退職したら研究者でなくなる訳ではありません。形は変わってもこれまで得た知見や技術を社会に還元する機会や場があるべきです。シニア科学アカデミーでは、ネット上に仮想研究所「日々思考実践院」を立ち上げ、シニア研究者の社会への発信、ネットワーク作り、共同研究、研究内容の保存などをバックアップします。近々にホームページが立ち上がりますので、そちらをご参照ください。
 シニアのみならず、遺伝学会では若手や女性研究者も応援しております。大会での学生の発表者には旅費を支援しています。また、男女問わず育児や介護中の会員が大会に参加しやすいように経済支援を行っています。
 以上のような活動が、遺伝学会のみならず社会全体に広がっていくような仕組みも考案中です。

本年より日本遺伝学会は遺伝学普及会と合流し、公益財団法人となりました。今後ますます発展する生命科学と社会との架け橋として、学術界のみならずこれまで以上に社会に開かれた組織を目指します。

今後とも「日本遺伝学会」をどうぞよろしくお願いいたします。

公益財団法人 遺伝学普及会     
日本遺伝学会     

会長 小林武彦     
(東京大学 定量生命科学研究所 教授)