日本遺伝学会主催の遺伝学談話会を下記の内容で開催いたします。今回は、これまで見落とさ
れてきた「遺伝子」の存在とその機能について、最新手法を駆使して先駆的な成果を多数あげ
られている名古屋大学の松本 有樹修先生をお迎えし、その研究成果について分かりやすく講
演していただきます。 皆様のご参加をお待ちしております。
日時: 2023 年 11 月 22 日(水) 午後 3 時 30 分から 5 時 20 分頃まで
場所:岡山県岡山市北区津島中 3-1-1
岡山大学津島キャンパス 理学部一号館二階 21 番教室
アクセスは以下をご参照ください。
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/access/access_4.html
参加費:無料(事前登録の必要はありません)
連絡先:岡山大学学術研究院(理学) 茶谷 悠平
Tel: 086-251-7856 内線 7856
E-mail: ychadani@okayama-u.ac.jp
—————–講師と講演要旨—————
タイトル:Hidden ORF の同定と機能解析
松本 有樹修 (名古屋大学 分子発現制御学グループ 教授)
内容:様々なデータベースにタンパク質配列が登録されていますが、それらが予想配列である
ということはあまり認識されていません。私たちは、ゲノムに潜む未注釈の open reading
frame (ORF) 領域(hidden ORF)を網羅的に同定し、その機能解析を行ないました。例えば、
long non-coding RNA (lncRNA)はタンパク質を翻訳しない RNA であると定義されています
が、私たちは一部の lncRNA がポリペプチドを翻訳し、それらが多様な生理機能を持つことを
明らかにしました。さらに、精密に翻訳開始点を同定する手法を確立し、多くのタンパク質が
AUG 開始コドンだけでなく、Non-AUG 開始コドンからも翻訳されることを見出しました。組
織間の違いや刺激、老化などで、これら hidden ORF の翻訳レベルは変動しており、現在それ
ら発現調節機構の解明にも挑んでいます。